実りの秋だねえ

ご近所の庭先をふと見れば、たわわに実ったミカンが黄色く色づいてきていた。
昔はどこの家の庭にも柿の木なんぞがあり、実が生ると近所のガキどもが石を投げたり、物干し竿で突付いて勝手に取って行ったもんだ。
かく言うワタクシも高校時代まで、よそさまの家の塀によじ登りビワや柿、ミカン等を失敬した経験がある（おい！）
いや、自分の手でもいで食べる果実の美味さは格別なのよ（おーい）
それでも大人は皆、「しょうがないなー」と苦笑いしながらも寛容だった。
もう30年も昔の話しだ。しみじみ。
今は実の生る木を植える家自体が少ないし、果物はスーパーで買うものだと思っている子もいるかもしれない。
それに、人を見たら泥棒と思えな世の中だし。
柿泥棒のつもりが、本物の泥棒と間違えられて通報でもされたら、かなり哀しい。
我が家の庭には初夏に実る木ものが沢山あり、近所の子ども達に開放して食べて貰っていたが、団地住まい故に10年、15年経つうちに子どもの数も減り、今では生って落ちるに任せるばかり。
諸行無常だわね。
そう言や祇園精舎にはホントは鐘は無いんだそうな。無い鐘の音が響くなんてホラー（苦笑）

昨夜遅く帰宅した夫。

夫「はい、これお土産」

小振りなカリンを２つ、ぽんと渡された。

妻「いい匂い。どうしたのコレ」
夫「うん、よそんちの畑に生ってたんで勝手に貰って来たー」

…ちょっと待て。「勝手に」は「貰って来た」の枕詞か？日本語の使い方が間違ってるって。

夫「大丈夫、落ちてた奴だし、小さいの選んだし」

よそんちの畑ってのは、多分あそこねと見当がつく。
ほとんどの実が落ちて、見向きもされずに無残に転がっている、あのカリンだろう。
ワタクシはバスの中から眺めているだけだったが、徒歩で通勤している夫は「地面に落ちたら１個貰おう」と心に秘めて眺めていたのかも。
誰にも見向きもされないカリンなら、１、２個失敬しても許されるか？
畑のご主人、お許しを！
↓これが問題のカリン。