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東日本大震災で被災しました。PCが壊れ、ビルダーも壊れた為、サイトは書庫化しています。
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こんばんは、母です。生きてます。生きてますが、くたびれてます。
金土日とアチコチ走り回っていたら、なにやらガクッと来ました。
今週もチマチマ書き溜めて週末更新となりそうですが、せめて「八丁堀黄表紙綴り」の
続きでも晒しておきましょう。
15万Hitか20万Hitで、御礼に一挙サイト公開と行きたいところですが、うーむ。
行けるのか?
ともあれ、続きが気になる奥様、お嬢様は↓をクリックしてねv

呉服屋と歌舞伎芝居は切っても切れない関係にある。
役者の衣装は自前で用意することになっているが、そこに目を付けた染物屋や呉服屋が
役者に協力することで、江戸に文化と流行を作り出していたからだ。
誰それがこんな色の着物であんな煙管を使っていたと見るや、あっと言う間にソレが流行る。
人気役者が身にまとう着物の色柄、その着崩し方、髪型、小間物に至るまでが男女を
問わず注目の的となった。
川田屋でも役者の着物のあつらえは勿論のこと、人気役者の名前や紋を染め抜いた
手ぬぐいや紙入れ、帯留めなども取り扱っていたが、芝居小屋で飛ぶように売れた
役者絵には店の名前が入っており、これがなによりも一番の宣伝となっていた。
元は古着屋と言うものの、役者が出した古い着物を流行り風に仕立てなおして商売に
していた川田屋は、町人のみならず役者達からも人気があり、売らずに仕立て直しを
頼む役者が出始めたのが、呉服屋へと店を拡張する切っ掛けになったらしい。
こうして何人もの人気役者と縁のある川田屋にとっては、役者絵を餌に女を釣るなど
朝飯前のことだ。
狙った獲物は外したことがないと豪語していただけあって、たった一度の失態が
我慢ならないのだろう。目つきの悪い浪人者を雇い入れているらしい。

「銭持っているくせしてやることがみみっちい上に汚ぇ。俺ぁ、そーゆー奴が大嫌いだ。
バカ旦那に先を越されて堪るかってんだ。絵描きも姐さんも先に探し出して匿ってやらぁ」

早速、鹿乃屋の印半纏に着替えた圭祐は、まずは木挽(こびき)町辺りかと足を向けた。
子供の時分から小間物の担ぎ売りをしていた圭祐には、芝居小屋が立ち並ぶ葺屋(ふきや)町、
堺町、木挽町には既に馴染みの小屋が幾つかあったが、吉原や深川にも贔屓にして
貰っている店があった。
蕎麦屋で爺さんの手伝いをするよりも、若い圭祐は町中をぶらつける小間物売りの方が楽しい。
同心の小者らしく働けるし、なによりも綺麗な姐さん達や可愛い町娘達と顔馴染みに
なれるのが嬉しかった。
吉原へ客として通う銭など持っていないが、そこは商売人である。普通ならば口を
利くどころか、顔も拝めないような美しい花魁が、袖から白い手を覗かせ圭祐を
手招いてくれるのだ。
愛想の良い圭祐はどこの店でも可愛がられた。
時には蒸かしたての白い饅頭を握らせてくれることもある。
どこへでも行ける小間物屋だからと気軽についでの使いを頼まれてやる圭祐は、
行く先々の店で重宝がられた。
お陰で商売は大繁盛だが、川田屋絡みとなればどうにも面白くない。

つづく(^^;

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