category:小説
いくら鼻炎薬を服用中でボーッとしており、使い物にならないからと言っても、
4月15日を過ぎるまで小説更新が滞ったまま、なのにブログで小話は毎日連載中と
言うのも体裁が悪い気がして来ました。うー、すみません。
今日は久々に「お江戸パラレル」の続きを晒してみようかと思います。
こんなお茶の濁し方も今月15日までです。15日のコンサート本番が終わったら
鼻炎薬を止めます。はい、約束しますとも。
ちゃんとボチボチですが、色々と続きも書いておりますことよ。
もうしばらくマッタリ更新にお付き合い下さいませね。
では、お江戸パラレル「八丁堀黄表紙綴り」が気になるお方は↓をクッリクしてねv
4月15日を過ぎるまで小説更新が滞ったまま、なのにブログで小話は毎日連載中と
言うのも体裁が悪い気がして来ました。うー、すみません。
今日は久々に「お江戸パラレル」の続きを晒してみようかと思います。
こんなお茶の濁し方も今月15日までです。15日のコンサート本番が終わったら
鼻炎薬を止めます。はい、約束しますとも。
ちゃんとボチボチですが、色々と続きも書いておりますことよ。
もうしばらくマッタリ更新にお付き合い下さいませね。
では、お江戸パラレル「八丁堀黄表紙綴り」が気になるお方は↓をクッリクしてねv
と言うのも、寒河江には黙っていたが、川田屋は男もいける口だったのだ。
手先が器用な圭祐は、帯留めやかんざしの直しも請け負っていた。呼ばれればその場でチョイ
チョイと直してみせる。それが評判になり、また呼んでもらえることもあるから腕の出し惜し
みはしない。
往来で川田屋に呼び止められた時も、なにかの直しだろうと疑いもせずに奥へ上がったのだ。
だから、まさかいきなり押し倒され、下帯をズラされるとは思わなかった。
「売り物は小間物だけとは限らないのだろう?」と舌なめずりをした川田屋の好色そうな顔は、今思い
出しても虫唾が走る。
驚きのあまり声も出なかったが、次の瞬間には我に返り、思い切り股ぐらを蹴り上げて逃げ出し、
事なきを得たが、どうにも腹の虫が収まらない。
日が経つにつれ、いっそ踏み潰して使い物にならなくしてやりゃ良かったなどと、益々口惜しく
思えて来るのだった。
いつか仕返ししてやろうと、こっそり様子を伺っていたところがこの騒動だ。
寒河江は「太夫の真似事」と言っていたが、そんなことは分からないではないか。
もしかすると世話になっている姐さん達の仲間が、川田屋とひと悶着を起こしているかもしれ
ないとなれば、花街の姐さん贔屓の圭祐としては、とても黙ってはいられない。
「男が欲しいなら陰間茶屋にでも行けってんだ。俺は売りもんじゃねぇ。あんな野郎を旦那扱いしなきゃ
ならねぇ店のもんが気の毒だ。大方、奉公人にも手を付け放題なんだろうさ」
そこまで考えてハタとした。
「そう言や、うちの旦那はなんで所帯を持たねぇんだ。良い年なのになぁ。あんなにもてるのに変じゃねぇか。
上役からの縁談もあるだろうによ……もしかして寒河江の旦那も男が好きなタチなのか?」
好き好きはあるが、衆道は決して恥ずかしいことではない。戦国の昔からあったことだし、
今の江戸でも念契は大流行だ。格好良い兄分に恵まれたい、可愛い弟分が欲しいと思っている
男はゴロゴロ転がっている。
そして、どうせ念者を持つならば川田屋のようなバカ旦那ではなく、寒河江のような立派な
同心が兄分の方が良いに決まっているではないか。
川田屋などに手篭めにされなくて本当に良かった。
「うちの旦那なら俺も構わないかもしれねぇなぁ。って、バカなこと考えてる暇はねぇや!」
思い切り頭を振ると、切りっぱなしの前髪がバサバサ揺れた。
つづく(^^;
手先が器用な圭祐は、帯留めやかんざしの直しも請け負っていた。呼ばれればその場でチョイ
チョイと直してみせる。それが評判になり、また呼んでもらえることもあるから腕の出し惜し
みはしない。
往来で川田屋に呼び止められた時も、なにかの直しだろうと疑いもせずに奥へ上がったのだ。
だから、まさかいきなり押し倒され、下帯をズラされるとは思わなかった。
「売り物は小間物だけとは限らないのだろう?」と舌なめずりをした川田屋の好色そうな顔は、今思い
出しても虫唾が走る。
驚きのあまり声も出なかったが、次の瞬間には我に返り、思い切り股ぐらを蹴り上げて逃げ出し、
事なきを得たが、どうにも腹の虫が収まらない。
日が経つにつれ、いっそ踏み潰して使い物にならなくしてやりゃ良かったなどと、益々口惜しく
思えて来るのだった。
いつか仕返ししてやろうと、こっそり様子を伺っていたところがこの騒動だ。
寒河江は「太夫の真似事」と言っていたが、そんなことは分からないではないか。
もしかすると世話になっている姐さん達の仲間が、川田屋とひと悶着を起こしているかもしれ
ないとなれば、花街の姐さん贔屓の圭祐としては、とても黙ってはいられない。
「男が欲しいなら陰間茶屋にでも行けってんだ。俺は売りもんじゃねぇ。あんな野郎を旦那扱いしなきゃ
ならねぇ店のもんが気の毒だ。大方、奉公人にも手を付け放題なんだろうさ」
そこまで考えてハタとした。
「そう言や、うちの旦那はなんで所帯を持たねぇんだ。良い年なのになぁ。あんなにもてるのに変じゃねぇか。
上役からの縁談もあるだろうによ……もしかして寒河江の旦那も男が好きなタチなのか?」
好き好きはあるが、衆道は決して恥ずかしいことではない。戦国の昔からあったことだし、
今の江戸でも念契は大流行だ。格好良い兄分に恵まれたい、可愛い弟分が欲しいと思っている
男はゴロゴロ転がっている。
そして、どうせ念者を持つならば川田屋のようなバカ旦那ではなく、寒河江のような立派な
同心が兄分の方が良いに決まっているではないか。
川田屋などに手篭めにされなくて本当に良かった。
「うちの旦那なら俺も構わないかもしれねぇなぁ。って、バカなこと考えてる暇はねぇや!」
思い切り頭を振ると、切りっぱなしの前髪がバサバサ揺れた。
つづく(^^;
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