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東日本大震災で被災しました。PCが壊れ、ビルダーも壊れた為、サイトは書庫化しています。
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ここ一週間の寝不足を解消すべく昨夜は早めに寝て、今朝はゆっくり9時前に起きた。
気分は爽快だ。予約していた美容室も思い切ってキャンセルし、ゆっくりのんびりしているところ。

朝が弱くてなかなか起きられないくせに、ワタクシはわりと時間に小うるさい性質だ。
普段の移動手段がバスと言うこともあり、外で待ち合わせする時はバスの到着時間に合わせてもらうことが多い。
そして乗り遅れたら大変だと、時計と睨めっこしながら早め早めに行動を起こす。
出掛ける1時間前には準備万端で、いつでも外に飛び出せるカッコウだ。
人との待ち合わせに遅れることは滅多にない。人を待たせていると思うと、気が気でなくなる小心者だからだ。
今は携帯電話が普及し、「遅れる」と一言メールを打てばお互いにホッとすることも多いけれど、昔は連絡手段が限られていたので本当に気が気じゃなかった。
待ち合わせ場所が喫茶店ならば、電話帳をひいて調べることもできるが、駅前なんぞだった日には本当にハラハラする。
自分が遅れても心配掛けてしまうし、人が遅れても「事故か?急病か?」と心配しちゃうし(苦笑)
とにかく人を待たせるくらいならば、自分が5分でも早く行って待っていた方が気が楽でいい。
実はワタクシが時間を気にするようになったのには切っ掛けがあって、未だにその時のことを良く覚えている。

ワタクシがまだ18、19歳だった時の話しだ。
待ち合わせ時間よりも、やたら早く落ち合うことが多い友人がいた。
ワタクシはそれに対して特に思うことはなかったのだが、ある時、彼女がワタクシに「遅い!」と言ったのである。
約束した時間の15分前には到着しているはずなのだが。驚いてそう問うと、彼女は「でも私の方が早かった」と得意げに言い放ったのだ。
その時、「ああ、この人は誰かを待つ自分に優越感を覚える人だったのか」と思ったことを鮮明に覚えている。
多分、彼女は誰に対してもいつも「待つ人」だったのだろう。
でもワタクシも「待つ人」だった。それが彼女には気に入らなかったのだろうと思う。
彼女は意地でもワタクシを待つために、どんどん待ち時間を長くして行ったのだろうし、そのことも気に入らなかったのだろう。
だからと言って一時間も早く行くのもなんだし、わざと遅れて行くと言うのも変だし、約束の時間の前に到着しているのに「遅れちゃってゴメン」と謝るのもおかしな話しだ。
結局その友人とは疎遠になり、3、4年に1度会う程度の付き合いになったが、時間が異常に気になると言う癖をシッカリとワタクシに残して行ってくれた。

その一方で、あまり早くに行って、長々と相手を待つこともなくなった。
せいぜい15分前に到着していれば早い方だ。
あまり長い時間人を待っていると「遅い」と言い放った彼女のことを思い出してしまい、なんとも複雑な気分になるからだ。
それでも時々、ふとした瞬間に自分に問いかけることがある。
そんなつもりはなくても、いつの間にか自分も彼女のようになっていやしないか?待っている自分に優越感を感じていやしないか?
いやいや、ワタクシが勝手に早く来ているのだから、待っている方が好きなのだからと、首を振りながら文庫本に目を落とす。
コーヒーでも飲みながら持参した文庫本を読みつつ、時々脳内妄想を手帳に書き留めながら、のんびりと誰かを待つ時間は好きだ。
待たせていると思うとお尻がムズムズして落ち着かないが、不思議と待っているのは苦にならない。
ワタクシよりも時間にうるさいGちゃんとの待ち合わせでは、少しでも遅れると「遅い!」とやられるので気が抜けないが(苦笑)
でもGちゃんは、待ち合わせ時間前に落ち合った時には、必ず「早かったね」と言う言葉が即座に出る人だ。
その辺りは前述の友人と大きく異なる。
それは18、19だった子どもと成熟した大人の差なのかもしれないけれど、根底で性格が大きく関係しているような気がする。

ともかく普段せっかちで、人に「すぐやる課」と笑われるほどセカセカしていると自覚がある分、のんびりと気楽に人を待てるのはいいことだと思うようにしている。
誰かを待っている時間は、時間と時間の合間に出来るポッカリと空いた素晴らしい自由時間なのだと思うと楽しい。
もちろん大好きな人達と会っている時間も楽しいけれど、会う前にも楽しみがあれば2倍楽しくなるではないか。
なんせ時間に大らかな友人を待つときなどは、15分どころか30分近くも自由時間があるのだから。
そう言えば遅刻魔で有名なその友人は、自分が遅刻しがちであることに気づいていないふしがある。
ワタクシに理由があって「待つ人」側にいるように、もしかしたら「必ず人を待たせてしまう人」にも何か心理的理由があるのだろうか。
尋ねてみたいけれど、本人に自覚がないらしいので、ちょっと聞きにくい。

携帯電話を持ち歩くようになり、腕時計を外したことも「待っている自分」をあまり意識しないでいられるようになった大きな要因だと思う。
くだんの彼女との一件があってから、ワタクシは腕時計を外さなくなった。
風呂とスポーツする時以外は、眠る時も手首には時計をしたままだったから、長いことワタクシの左手首には時計バンドの跡が一年中白く残っていた。
そこだけ手首がくびれていたほどに、付けっ放しだったのだ。
夫に「寝るときくらい外したら?」と言われても、「目覚めた時にすぐ時間が見られる方がいい」と笑って取り合わなかった。
子どもが生まれ学校に通うようになると、ますます時間に固執し、腕時計が外れることはなかったように思う。
それが子どもが高校に入学した頃から、腕時計を重たく感じ、鬱陶しく思うようになった。
今思えば、子離れ親離れが始まっていたのかもしれない。
時々外しては、どこに置いたのか忘れて慌てて探すようになり、風呂上りには付けなくなったのはいつ頃からだっただろう。
そして全く腕時計をしなくなって2年ほど経った。
日焼けせずに残った白い跡はなくなったが、今でも左手首を触ると一箇所だけ少しだけ骨(肉か?)の窪んだ部分を感じることができる。
当時は分からなかったが、よっぽど「時間」に対して強迫観念を感じていたのだろう。
その頃の自分を過敏過ぎた、神経症だったのかもねと笑えるほど、現在のワタクシは今日が何日で何曜日だったか思い出すのが困難なくらいノホホンとしている(ボケてる?)
腕時計は指輪やイヤリングと一緒でアクセサリーとなり、ワタクシを時間に縛り付けなくなった。
ワタクシの時間は、幾分ゆったりと流れるようになったのかもしれない。

さて、あなたは待つ人?それとも待たせてしまう人ですか?

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