category:小説
世界が終わるまで4
背中を擦る川田の手が忙しなく上下している。
「大丈夫か、おい。ハル? 返事くらいしろっ」
「大丈夫だ……大丈夫だから叫ぶな。うるさい」
情けない。
酒の上での醜態を晒したことにではない。
確固とした理由があるわけでもなく、ふとした瞬間、ほんの少しの
他愛もない切っ掛けで、自分がちっぽけで無力な存在に思え、やり
きれなくなることがあるが、それに似ていた。
酒のせいなのか? 川田のせいか? 地連の男のせいか?
それとも「ハル」と言う呼びかけのせいなのか。
二人きりの時にしか決して呼ばない名前。
あの人もそうだった。
バカバカしい。何故、俺が自分を情けなく思わねばならないのだ。
なにを空しく感じる必要がある。
なぜこの時期になって自衛隊の勧誘などに引っ掛かるのだ。
大人しく普通大学に行って剣道でもやっていれば良いものを、SAT
にしろ自衛隊にしろ、何故、わざわざ危険な匂いのする場所を呼び
寄せ、選択しようとするのだ。
その気がなければ、年齢制限があるかなどと尋ねたりはしない。
多少遠回りしてでもスキルアップし、行くつもりがあるのだ。
普通じゃない。こいつは異常だ。
「強いものにしか興味はない」と言い切ることができるのは、こいつ
自身が強いからだ。
「おまえもそうだろう」と訊けるのは、俺を強いと川田が認めているからだ。
普段ならば気にもせず、聞き流しているはずだが、今日に限ってこん
なにもストレスになるとは思わなかった。
地連の男などに出会ってしまったのが運の尽きなのか。
あのハゲめ、人の好さそうな顔をしておきながら、死神のような奴だ。
「あれっぱかしで酔うとはな。おまえ、体調悪いんじゃねぇか」
「……そうかもしれんな」
おまえが悪いんだ。おまえが異常だからだ。
俺の前で死に急ぐ素振りなどするからだ。
だが、ベッドに転がされた俺を眺める視線を感じながら、ことさら
意味などないかのように呟いてみせる。
「分かった。今夜は大人しく部屋に帰るとすっか」
「今日は誕生日なのだろう。それで良いのか」
「良いも悪いも、おまえがそんなじゃ仕方がねぇだろが。それともなにか?
添い寝でもして欲しいのかよ」
「そうだな。それも悪くない」
「あぁ?」
これ以上、同じ部屋にいたら何を言い出すか自分でも分からない。
「おまえ、まさか思い出してんじゃねぇだろうな」
「なんの話だ。冗談に決まっているだろう。もう用がないならさっさと帰れ」
まだ訝しげな川田を部屋から叩き出すと、ボンヤリと天井を見上げた。
こんな時に酒など煽るのではなかった。
あれから一年経とうとしていると言うのに、俺はまだ立ち直っては
いなかったのだろうか。
この世に俺を縛り付けた川田が、なぜ死に急ごうとする。
どうしても理解出来ない。
嬉々として死に向かおうとする川田の言動に、封印したはずの黒いもの
が胸に湧き上がって来る。
酒だ。安酒など煽ったせいだ。
限りなく可能性が広がっているはずの18という年齢を、はじめて
怖いと思った。
高校生活は特殊な時軸に存在する。
長い人生の中のたったの三年間でしかないうえに、時間と共に色褪せ
て行く感傷的な思い出となるだろう世界だ。
そのくせ今現在だけがクッキリと濃い色合いを持って存在する、内側
だけで収束している閉じた世界だ。
閉じた世界の外側は、親も社会も町も日本もアメリカも、俺達にとっ
てはただの風景でしかない。
その外側であったはずの風景は、卒業と同時に否応なしに俺達を飲み
込むだろう。
今日、川田は18になり、現実はすぐそこまで迫って来ていた。
続く
背中を擦る川田の手が忙しなく上下している。
「大丈夫か、おい。ハル? 返事くらいしろっ」
「大丈夫だ……大丈夫だから叫ぶな。うるさい」
情けない。
酒の上での醜態を晒したことにではない。
確固とした理由があるわけでもなく、ふとした瞬間、ほんの少しの
他愛もない切っ掛けで、自分がちっぽけで無力な存在に思え、やり
きれなくなることがあるが、それに似ていた。
酒のせいなのか? 川田のせいか? 地連の男のせいか?
それとも「ハル」と言う呼びかけのせいなのか。
二人きりの時にしか決して呼ばない名前。
あの人もそうだった。
バカバカしい。何故、俺が自分を情けなく思わねばならないのだ。
なにを空しく感じる必要がある。
なぜこの時期になって自衛隊の勧誘などに引っ掛かるのだ。
大人しく普通大学に行って剣道でもやっていれば良いものを、SAT
にしろ自衛隊にしろ、何故、わざわざ危険な匂いのする場所を呼び
寄せ、選択しようとするのだ。
その気がなければ、年齢制限があるかなどと尋ねたりはしない。
多少遠回りしてでもスキルアップし、行くつもりがあるのだ。
普通じゃない。こいつは異常だ。
「強いものにしか興味はない」と言い切ることができるのは、こいつ
自身が強いからだ。
「おまえもそうだろう」と訊けるのは、俺を強いと川田が認めているからだ。
普段ならば気にもせず、聞き流しているはずだが、今日に限ってこん
なにもストレスになるとは思わなかった。
地連の男などに出会ってしまったのが運の尽きなのか。
あのハゲめ、人の好さそうな顔をしておきながら、死神のような奴だ。
「あれっぱかしで酔うとはな。おまえ、体調悪いんじゃねぇか」
「……そうかもしれんな」
おまえが悪いんだ。おまえが異常だからだ。
俺の前で死に急ぐ素振りなどするからだ。
だが、ベッドに転がされた俺を眺める視線を感じながら、ことさら
意味などないかのように呟いてみせる。
「分かった。今夜は大人しく部屋に帰るとすっか」
「今日は誕生日なのだろう。それで良いのか」
「良いも悪いも、おまえがそんなじゃ仕方がねぇだろが。それともなにか?
添い寝でもして欲しいのかよ」
「そうだな。それも悪くない」
「あぁ?」
これ以上、同じ部屋にいたら何を言い出すか自分でも分からない。
「おまえ、まさか思い出してんじゃねぇだろうな」
「なんの話だ。冗談に決まっているだろう。もう用がないならさっさと帰れ」
まだ訝しげな川田を部屋から叩き出すと、ボンヤリと天井を見上げた。
こんな時に酒など煽るのではなかった。
あれから一年経とうとしていると言うのに、俺はまだ立ち直っては
いなかったのだろうか。
この世に俺を縛り付けた川田が、なぜ死に急ごうとする。
どうしても理解出来ない。
嬉々として死に向かおうとする川田の言動に、封印したはずの黒いもの
が胸に湧き上がって来る。
酒だ。安酒など煽ったせいだ。
限りなく可能性が広がっているはずの18という年齢を、はじめて
怖いと思った。
高校生活は特殊な時軸に存在する。
長い人生の中のたったの三年間でしかないうえに、時間と共に色褪せ
て行く感傷的な思い出となるだろう世界だ。
そのくせ今現在だけがクッキリと濃い色合いを持って存在する、内側
だけで収束している閉じた世界だ。
閉じた世界の外側は、親も社会も町も日本もアメリカも、俺達にとっ
てはただの風景でしかない。
その外側であったはずの風景は、卒業と同時に否応なしに俺達を飲み
込むだろう。
今日、川田は18になり、現実はすぐそこまで迫って来ていた。
続く
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category:雑記
と言うサイトを発見しまして、嬉々としております。
よーし、これで白戸先生に鹿児島弁を、阿世賀先生に津軽弁を喋らせよう!(笑)
全国各地の方言の他に、花魁風とか若旦那風という変換もあり、なかなか
笑わせてくれます。
残念ながら更新停止中らしいのですが、興味のある方はコチラから。
いや、鹿児島出身の友人も、青森在住の友人もいるにはいるのですが、
「○○○が×××で△△△してるじゃないか…ってなんて言うの?」
とは、まさかまさか尋ねにくいじゃないですか(汗)
(伏字部分はご随意に想像下さいませ)
このサイトさんが消えたりしないことを切に願っている次第。
■いつも拍手をありがとうございます。
今週はちょっと忙しくなりそうですが、どうにか更新したいと頑張って
おりますので、またのドーピングを宜しくお願い致しますねv
よーし、これで白戸先生に鹿児島弁を、阿世賀先生に津軽弁を喋らせよう!(笑)
全国各地の方言の他に、花魁風とか若旦那風という変換もあり、なかなか
笑わせてくれます。
残念ながら更新停止中らしいのですが、興味のある方はコチラから。
いや、鹿児島出身の友人も、青森在住の友人もいるにはいるのですが、
「○○○が×××で△△△してるじゃないか…ってなんて言うの?」
とは、まさかまさか尋ねにくいじゃないですか(汗)
(伏字部分はご随意に想像下さいませ)
このサイトさんが消えたりしないことを切に願っている次第。
■いつも拍手をありがとうございます。
今週はちょっと忙しくなりそうですが、どうにか更新したいと頑張って
おりますので、またのドーピングを宜しくお願い致しますねv
category:小説
世界が終わるまで5
変わり映えのしない平凡な毎日が良い。
バカ殿で知られた俺が「平凡な」と言うと語弊があるかもしれないが、
俺自身は退屈な人間だ。
馬鹿さ加減が普通ではない川田と比べたら、つまらない人間だ。
剣道はもう辞めた。二度とやるつもりはない。
そんな俺と俺の毎日が退屈なものだとしても、落ち着きのない馬鹿が一人傍にいれば、
人生に飽きないだろう。
腰の座りが悪く、ふらふらと歩き回り、何にでも首を突っ込みたがるくせに
細部の詰めが甘い川田には俺が必要だ。
適度なストレスと過剰な刺激を与え続ける川田のお陰で、俺自身は退屈な人間でも、
俺を取り巻く環境は退屈からは程遠い毎日になる。
他人から見ればとても「平凡」には見えないだろうが、俺にとっての日常は
これが当たり前の平凡な毎日なのだ。
翌朝の体調は最悪だった。
眠りが浅いままに、夢ばかり見ていたような気がする。
内容など覚えてはいないが、汗にまみれて何度も飛び起きるような夢が気持ちの
良いものであるはずがなく、スッキリとは程遠い状態で朝を迎えていた。
盆休み明けの初っ端から一講座100分授業という、だるい後期講習開始日は、
講習会とは名ばかりの通常授業枠のせいなのか、それとも全国模試が間近なせいなのか、
さすがにサボる奴など一人もいない。
三学年全員が帰省先から戻って来ていた。
真面目を絵に描いたような櫻井や立花はともかく、川田でさえもが教室から
一歩も出ようとしないのは、クーラーが効いた教室の居心地が良いからだ。
「さっき便所に行ったら事務長に会ったんだけどよ、廊下も相当暑いが、
外は36度越えだとさ。体温と一緒だぞ、体温と。おい、信じられっか。
外に出たら死ぬよな。絶対死ぬよな、こりゃ」
おまえが死ぬ、死ぬ連呼するなっ!
それでも昼間は良い。こいつが殺しても絶対に死なないゾンビのような奴に
見えてくるのだから有り難い。
だが、強靭な肉体を以ってしても、たとえ魂は不滅でも、肉体は滅びる。
残念ながら生身の人間は、自転車に轢かれても、打ち所が悪ければ簡単に死ぬのだ。
「本当に殺しても死なない程度に丈夫なら良かったのにな」
昼間だからこんな軽口も叩ける。
昨夜だったらとても口には出せなかっただろう。
「おまえが言うと何度でも殺してやりてぇって言ってるように聴こえんのは、
俺の気のせいか?」
「ああ、それは良いな。死にたくなったら言ってくれ。俺の手で何度でも殺してやる」
我ながら吐き気がするほど良い案だ。
同じ死ぬなら俺の手で死ねば良い。
勝手に先に逝かれるのは、もう沢山だ。
俺の父方の祖父は、先の大戦で終戦直前に18歳で学徒動員され、新潟に送り込まれている。
大学生だったと言うが、今の俺達と同じ年齢だ。
飛行機整備工場で爆撃された祖父は、戦後60年も経てから、その時に受けた傷が元で、
つい先日片足切断を余儀なくされた。
60年の時間が経過しても尚、戦争の爪痕は祖父の身体を蝕んでいたのだ。
戦火の中で生き残るということは、誰かの命を奪って生きるということだ。
祖父は間接的ながらも「アメリカさんを殺す飛行機を整備しているのだ」と
実感していたと言う。
そのアメリカさんにやられ、祖父は足を失った。
祖父を撃ったパイロットはどうなったのだろうか。
自分が撃った青年が、60年後に足を失うことになろうとは思いもしなかっただろうが、
今も生きているのか、それとも死んだのか、確認する術はない。
米軍のパイロットが憎いかと尋ねた俺に祖父は
「戦時下では仕方のないことだ。俺が整備した爆撃機も誰かの命を奪ったかも
しれないと考えると胸が詰まる。あの時、一緒に撃たれた仲間のほとんどは死んだ。
なのに俺は足一本を失くしただけで生かされている。これがどういう意味なのか
60年経った今でも考えずにはいられない。俺の戦争はまだ終わっちゃいない」
と複雑な表情を見せた。
川田に同じ顔をさせるくらいならば、誰かを殺し、誰かに殺られる前に俺が
この手で殺してやる。
不健康極まりない考えに、またしても吐き気が込み上げて来た。
未だに行方の知れない阿世賀先生の笑顔を思い出していた。あの人は、もう帰らない。
だが、こいつは殺しても死なない。ゴキブリよりも強い生命力に溢れている。大丈夫だ。
たとえ世界中の人間が死に絶えても、こいつだけは生き残る。
そう自分に言い聞かせながら、学食で仕入れて来た天然有機酸2000mg、
国産完熟梅酢入り清涼水で疲れた胃を洗浄しようとした俺の手から、川田が
それを奪い取った。勝手にグビグビと半分以上も飲み干していく。
「すっぺー。なんだよ、これ」
「夏バテ防止だ。梅には殺菌作用もある。おまえはO-157でも死にそうにないがな」
「おまえ、なんか変だぞ。いやに突っかかるじゃねぇか。死ぬ死ぬって縁起でもねぇ」
縁起でもないのはおまえの方だ。
おまえの人生の選択が既に縁起でもないことに気づけ!
繊細な心遣いを要求しようとは思わないが、いい加減そのガサツで無神経な
物言いには辟易する。
殴って躾けることが可能ならば、ボコボコにしてやっているところだ。
「分かったぞ! マタニティブルーだな。妊娠してんだろ。夕べのあれはツワリか。
だから、んな酸っぱいもんなんか飲んで、イライラしてんだな」
ふざけた川田の台詞に周りはドッと沸いたが、頭を殴られたような気がした。
正にその通りだという気がした。俺は精神的に孕んでいるのだ。
いや、想像妊娠していると言った方が正確なのか。
ギョッとして自分の真っ平らな腹に視線をやり、一向に治まる気配がないどころか、
益々酷くなる吐き気に我慢できず、教室を飛び出した。
「おいっ、高須っ!」
俺を呼ぶ川田の声が、酷く遠くに聴こえたような気がした。
続く
変わり映えのしない平凡な毎日が良い。
バカ殿で知られた俺が「平凡な」と言うと語弊があるかもしれないが、
俺自身は退屈な人間だ。
馬鹿さ加減が普通ではない川田と比べたら、つまらない人間だ。
剣道はもう辞めた。二度とやるつもりはない。
そんな俺と俺の毎日が退屈なものだとしても、落ち着きのない馬鹿が一人傍にいれば、
人生に飽きないだろう。
腰の座りが悪く、ふらふらと歩き回り、何にでも首を突っ込みたがるくせに
細部の詰めが甘い川田には俺が必要だ。
適度なストレスと過剰な刺激を与え続ける川田のお陰で、俺自身は退屈な人間でも、
俺を取り巻く環境は退屈からは程遠い毎日になる。
他人から見ればとても「平凡」には見えないだろうが、俺にとっての日常は
これが当たり前の平凡な毎日なのだ。
翌朝の体調は最悪だった。
眠りが浅いままに、夢ばかり見ていたような気がする。
内容など覚えてはいないが、汗にまみれて何度も飛び起きるような夢が気持ちの
良いものであるはずがなく、スッキリとは程遠い状態で朝を迎えていた。
盆休み明けの初っ端から一講座100分授業という、だるい後期講習開始日は、
講習会とは名ばかりの通常授業枠のせいなのか、それとも全国模試が間近なせいなのか、
さすがにサボる奴など一人もいない。
三学年全員が帰省先から戻って来ていた。
真面目を絵に描いたような櫻井や立花はともかく、川田でさえもが教室から
一歩も出ようとしないのは、クーラーが効いた教室の居心地が良いからだ。
「さっき便所に行ったら事務長に会ったんだけどよ、廊下も相当暑いが、
外は36度越えだとさ。体温と一緒だぞ、体温と。おい、信じられっか。
外に出たら死ぬよな。絶対死ぬよな、こりゃ」
おまえが死ぬ、死ぬ連呼するなっ!
それでも昼間は良い。こいつが殺しても絶対に死なないゾンビのような奴に
見えてくるのだから有り難い。
だが、強靭な肉体を以ってしても、たとえ魂は不滅でも、肉体は滅びる。
残念ながら生身の人間は、自転車に轢かれても、打ち所が悪ければ簡単に死ぬのだ。
「本当に殺しても死なない程度に丈夫なら良かったのにな」
昼間だからこんな軽口も叩ける。
昨夜だったらとても口には出せなかっただろう。
「おまえが言うと何度でも殺してやりてぇって言ってるように聴こえんのは、
俺の気のせいか?」
「ああ、それは良いな。死にたくなったら言ってくれ。俺の手で何度でも殺してやる」
我ながら吐き気がするほど良い案だ。
同じ死ぬなら俺の手で死ねば良い。
勝手に先に逝かれるのは、もう沢山だ。
俺の父方の祖父は、先の大戦で終戦直前に18歳で学徒動員され、新潟に送り込まれている。
大学生だったと言うが、今の俺達と同じ年齢だ。
飛行機整備工場で爆撃された祖父は、戦後60年も経てから、その時に受けた傷が元で、
つい先日片足切断を余儀なくされた。
60年の時間が経過しても尚、戦争の爪痕は祖父の身体を蝕んでいたのだ。
戦火の中で生き残るということは、誰かの命を奪って生きるということだ。
祖父は間接的ながらも「アメリカさんを殺す飛行機を整備しているのだ」と
実感していたと言う。
そのアメリカさんにやられ、祖父は足を失った。
祖父を撃ったパイロットはどうなったのだろうか。
自分が撃った青年が、60年後に足を失うことになろうとは思いもしなかっただろうが、
今も生きているのか、それとも死んだのか、確認する術はない。
米軍のパイロットが憎いかと尋ねた俺に祖父は
「戦時下では仕方のないことだ。俺が整備した爆撃機も誰かの命を奪ったかも
しれないと考えると胸が詰まる。あの時、一緒に撃たれた仲間のほとんどは死んだ。
なのに俺は足一本を失くしただけで生かされている。これがどういう意味なのか
60年経った今でも考えずにはいられない。俺の戦争はまだ終わっちゃいない」
と複雑な表情を見せた。
川田に同じ顔をさせるくらいならば、誰かを殺し、誰かに殺られる前に俺が
この手で殺してやる。
不健康極まりない考えに、またしても吐き気が込み上げて来た。
未だに行方の知れない阿世賀先生の笑顔を思い出していた。あの人は、もう帰らない。
だが、こいつは殺しても死なない。ゴキブリよりも強い生命力に溢れている。大丈夫だ。
たとえ世界中の人間が死に絶えても、こいつだけは生き残る。
そう自分に言い聞かせながら、学食で仕入れて来た天然有機酸2000mg、
国産完熟梅酢入り清涼水で疲れた胃を洗浄しようとした俺の手から、川田が
それを奪い取った。勝手にグビグビと半分以上も飲み干していく。
「すっぺー。なんだよ、これ」
「夏バテ防止だ。梅には殺菌作用もある。おまえはO-157でも死にそうにないがな」
「おまえ、なんか変だぞ。いやに突っかかるじゃねぇか。死ぬ死ぬって縁起でもねぇ」
縁起でもないのはおまえの方だ。
おまえの人生の選択が既に縁起でもないことに気づけ!
繊細な心遣いを要求しようとは思わないが、いい加減そのガサツで無神経な
物言いには辟易する。
殴って躾けることが可能ならば、ボコボコにしてやっているところだ。
「分かったぞ! マタニティブルーだな。妊娠してんだろ。夕べのあれはツワリか。
だから、んな酸っぱいもんなんか飲んで、イライラしてんだな」
ふざけた川田の台詞に周りはドッと沸いたが、頭を殴られたような気がした。
正にその通りだという気がした。俺は精神的に孕んでいるのだ。
いや、想像妊娠していると言った方が正確なのか。
ギョッとして自分の真っ平らな腹に視線をやり、一向に治まる気配がないどころか、
益々酷くなる吐き気に我慢できず、教室を飛び出した。
「おいっ、高須っ!」
俺を呼ぶ川田の声が、酷く遠くに聴こえたような気がした。
続く
category:雑記
おはようございます。今日はこれからガッコに行かねばなりませぬ。
いわゆるPTA、つまりは保護者の責任を果たすというやつですね。
高校ともなればPTAの出番はなかろうと思っていましたが、甘かった。
二、三ケ月ごとに、ちょこちょこと召集が掛かります。
行くのは、まぁ良いのですが、こんな田舎だってのに、いわゆるお坊ちゃま、
お嬢さまの私立ガッコなもので、リーマン家庭は浮きまくり(泣笑)
入学するまでは、普通の私立高校だと信じていたのに裏切られた。
どんなレベルのお坊ちゃま、お嬢さまがいるかと言えば、主に医者のご子息、ご令嬢。
男子A「僕、最近テニス始めたんだ」
男子B「へぇ、どこでやってるの?」
男子A「うちでだよ。庭にテニスコートを作ったから」
プールは?ねぇ、プールはないの?
お子「○○の家に遊びに行ったら、でっかい門にカメラがついてた」
母 「ほぉ、さすが大地主さまの家だのぅ」
お子「セコムが貼ってあった。見たこともない大きさの苺ショートが出た!」
そんな苺ショートくらいで興奮するなよ、お子(哀)
故にPTAともなると、ねぇ、それってグッチャ?チャネル?ヘルミェス?な奥様方が
ウジャウジャと……ヨー○ドーブランドじゃダメですかっ。
ああ、何を着て行きゃ良いんだ。段々と気が重くなって来たぞ。
母 「君、せっかくだから玉の輿を狙いたまえ!」
お子「ナヨナヨしたお坊ちゃま野郎なんか願い下げだぜ」
ある意味、非常に男らしい娘に乾杯。
■以下、メッセ御礼に参りまするv
いわゆるPTA、つまりは保護者の責任を果たすというやつですね。
高校ともなればPTAの出番はなかろうと思っていましたが、甘かった。
二、三ケ月ごとに、ちょこちょこと召集が掛かります。
行くのは、まぁ良いのですが、こんな田舎だってのに、いわゆるお坊ちゃま、
お嬢さまの私立ガッコなもので、リーマン家庭は浮きまくり(泣笑)
入学するまでは、普通の私立高校だと信じていたのに裏切られた。
どんなレベルのお坊ちゃま、お嬢さまがいるかと言えば、主に医者のご子息、ご令嬢。
男子A「僕、最近テニス始めたんだ」
男子B「へぇ、どこでやってるの?」
男子A「うちでだよ。庭にテニスコートを作ったから」
プールは?ねぇ、プールはないの?
お子「○○の家に遊びに行ったら、でっかい門にカメラがついてた」
母 「ほぉ、さすが大地主さまの家だのぅ」
お子「セコムが貼ってあった。見たこともない大きさの苺ショートが出た!」
そんな苺ショートくらいで興奮するなよ、お子(哀)
故にPTAともなると、ねぇ、それってグッチャ?チャネル?ヘルミェス?な奥様方が
ウジャウジャと……ヨー○ドーブランドじゃダメですかっ。
ああ、何を着て行きゃ良いんだ。段々と気が重くなって来たぞ。
母 「君、せっかくだから玉の輿を狙いたまえ!」
お子「ナヨナヨしたお坊ちゃま野郎なんか願い下げだぜ」
ある意味、非常に男らしい娘に乾杯。
■以下、メッセ御礼に参りまするv
category:雑記
というわけで高須祖父も、まごうことなき名古屋人。
いそいそと「世界が…5」の祖父ちゃんの台詞を名古屋弁に変換してみました。
(PTAから帰宅してすぐ、なにをするかと思えば…)
米軍のパイロットが憎いかと尋ねた俺に祖父は
「戦時下では仕方のあらすか〜ことだ。俺が整備した爆撃機も誰かの命を奪ったかも
しれあらすか〜と考えると胸が詰まる。あの時、一緒だがや撃たれた仲間のほとんどは死んだ。
なのだがや俺は足一本を失くしただけで生かされている。これがどういう意味なのか
60年経った今でも考えずだがやはいられあらすか〜。俺の戦争はまんだ終わっちゃいあらすか〜」
と複雑な表情を見せた。
……「あらすか〜」ばっかりだがね(焦)
うーむ、名古屋からおいでの皆さん、これで合ってます?
監修よろしくですー
もう一つ、調子に乗って川田の台詞を若旦那変換!
「さきほど便所に行きんしたトコ、事務長にお会いしのでがすが、
あぁた、廊下も相当暑いですけれど、 外は36度越えだそうでげす。
体温と一緒でがすね、体温と。信じられんすか。
外に出たら死にんすよ。絶対に死にんすよね、こりゃぁ」
って……ぶははは!気持ち悪いぞ、川田!
因みに、川田は東京出身、江戸っ子です(笑)
いそいそと「世界が…5」の祖父ちゃんの台詞を名古屋弁に変換してみました。
(PTAから帰宅してすぐ、なにをするかと思えば…)
米軍のパイロットが憎いかと尋ねた俺に祖父は
「戦時下では仕方のあらすか〜ことだ。俺が整備した爆撃機も誰かの命を奪ったかも
しれあらすか〜と考えると胸が詰まる。あの時、一緒だがや撃たれた仲間のほとんどは死んだ。
なのだがや俺は足一本を失くしただけで生かされている。これがどういう意味なのか
60年経った今でも考えずだがやはいられあらすか〜。俺の戦争はまんだ終わっちゃいあらすか〜」
と複雑な表情を見せた。
……「あらすか〜」ばっかりだがね(焦)
うーむ、名古屋からおいでの皆さん、これで合ってます?
監修よろしくですー
もう一つ、調子に乗って川田の台詞を若旦那変換!
「さきほど便所に行きんしたトコ、事務長にお会いしのでがすが、
あぁた、廊下も相当暑いですけれど、 外は36度越えだそうでげす。
体温と一緒でがすね、体温と。信じられんすか。
外に出たら死にんすよ。絶対に死にんすよね、こりゃぁ」
って……ぶははは!気持ち悪いぞ、川田!
因みに、川田は東京出身、江戸っ子です(笑)
category:小説
世界が終わるまで6
ツワリは、妊娠二ヶ月から四ヶ月目の妊婦の多くに起きる。
一般に倦怠感を伴う吐き気が主な症状であり、酸味のあるものを好んで食する
ようになると言われている。
ツワリとは胎内に育ちつつある異物に対する、一種の抗体反応のようなものだと
聞いたことがある。
抗原の侵入を許した時、身体は即座に自己と非自己を識別し、非自己から自己を
守ろうと、抵抗力の獲得に奔走する。
この場合、胎児は明らかに非自己であり、母体である細胞とは全くの別物、
つまり抗原だ。
個体差はあるようだが、たとえどんなに愛した男の子供であろうとも、ツワリは
起きるものらしい。
吐かずにはいられないほどの異物を胎内に抱えて、何故、女は男を許し、
親指にも満たない腹の中の物を愛せるのだろうか。
ツワリが治まる頃には、流産の危険率が大幅に減少することを考えると、
ツワリは抗原である胎児を守り育てる為に、母体が免疫を作り出す過程の
副産物であるという気がしてくる。
あるいは胎児自らが免疫を作り出しているのか。
いずれにしても、俺には胎児が毒以外の何者でもないように思えた。
胃液に喉が焼かれ、吐き出す物が何もない辛さに視界が歪む。
澱んだ熱気が身体に纏わりつき、瞬く間にシャツが汗でビッショリと濡れた。
『外気温が36度越えだとさ。体温と一緒だぞ。死ぬよな』
同じ36度でも気温と水温では体感する不快感の違いが出る。
気温36度は暑過ぎると感じ、水温36度は風呂にするには温過ぎる。
だが、体液だけは別だ。
胎児は体温と同じ36度から37度台の羊水の中でぬくぬくと育つ。
鏡に映った顔は青ざめていた。
なぜ俺が川田に抱かれて来たのか、今なら分かる。
川田がいなかったら、俺はとっくに気が狂っていたか、死んでいたに違いない。
俺にはどうしても川田が必要だったのだ。
無意識のうちに女のように抱かれて縛り付けてやろうとしたのだ。
与えることで、川田を得ようとした。そうとしか思えない。
その結果が、これか。ざまあない。
胎内に抱え込んだ川田は毒を撒き散らし、俺を苦しめ続けるだろう。
そうだ。川田の子供を宿しているのではない。
俺は川田を宿しているのだ。
相容れない生き方に拒絶反応を示しながら、諦めることも断ち切ることもできずに、
身体の奥深くに川田を内包し、離すまい、縛りつけようと足掻く俺に、川田は
毒を吹きかけ、解放を要求しているのではないか。
自己と非自己の確執。
吐き気の正体はツワリだ。
「ハルっ! どうしたっ、大丈夫かっ」
便所に駆け込んで来た川田が、鏡の中の俺を見た。
汗に濡れた髪を額に張り付かせた川田と俺が鏡の中に映っている。
「……なんでもない。ただのツワリだ」
「そっか、良かっ……ねぇよ! ツワリのわけがねぇだろが!」
「いや、ツワリだ。間違いない。何故なら……」
鏡の中の川田が困惑しているらしいのが愉快だった。
「何故なら、昨夜からの吐き気が止まらないうえに、酸味の強い物を身体が
欲してならないからだ。身に覚えだったらあるぞ」
「身に覚えって……父親は誰なんだ……とでも言うと思ってんのか! ぶん殴るぞ!
アレじゃないのか、トロとかボケとか言うウィルスが流行っただろう」
「トロでもなければボケでもない。ノロだ」
「そう、それだっ。ノロウィルス!」
ノロ? トロやボケやノロがどうしたと言うのだ。
鏡の中で怒鳴っているのは一体誰なのだろう。
川田は俺の腹の中にいるはずだ。
「おまえは誰だ?」
「ハ、ハル?」
「何故、おまえがそこにいるんだ。おまえの居場所はここじゃないのか」
俺は振り返って川田の手を取ると、自分の腹部に押し当てた。
「ここで毒を振りまいて俺を殺すのだろう?」
川田の目が大きく見開かれる。
一体何をそんなに驚いているのだろう。
不思議に思い、首を傾げた俺は、何かを尋ねるかのように瞬かれた瞳に混乱と
恐怖が交互に現れるのを見て、自分が口にした言葉の意味を反芻し、そこで
ようやく正気に戻った。
「すまない。冗談が過ぎたようだ」
川田の顔をまともに見ることができない。
棒立ちになった川田の脇をすり抜けようとした時、思いもよらず笑みが漏れた。
気が狂ったと思われたかもしれない。いや、とうの昔に狂っているのか。
縋りついて行くなと言うには、俺のプライドは高すぎた。
狂った俺に愛想を尽かして行くのなら、その方がまだマシかもしれない。
いずれ間違いなく行ってしまうのならば、早い方が良いだろう。
ジクジクと時を待つよりも、今すぐ壊してしまえ。
俺の中に残る狂気が、そう告げていた。
続く
ツワリは、妊娠二ヶ月から四ヶ月目の妊婦の多くに起きる。
一般に倦怠感を伴う吐き気が主な症状であり、酸味のあるものを好んで食する
ようになると言われている。
ツワリとは胎内に育ちつつある異物に対する、一種の抗体反応のようなものだと
聞いたことがある。
抗原の侵入を許した時、身体は即座に自己と非自己を識別し、非自己から自己を
守ろうと、抵抗力の獲得に奔走する。
この場合、胎児は明らかに非自己であり、母体である細胞とは全くの別物、
つまり抗原だ。
個体差はあるようだが、たとえどんなに愛した男の子供であろうとも、ツワリは
起きるものらしい。
吐かずにはいられないほどの異物を胎内に抱えて、何故、女は男を許し、
親指にも満たない腹の中の物を愛せるのだろうか。
ツワリが治まる頃には、流産の危険率が大幅に減少することを考えると、
ツワリは抗原である胎児を守り育てる為に、母体が免疫を作り出す過程の
副産物であるという気がしてくる。
あるいは胎児自らが免疫を作り出しているのか。
いずれにしても、俺には胎児が毒以外の何者でもないように思えた。
胃液に喉が焼かれ、吐き出す物が何もない辛さに視界が歪む。
澱んだ熱気が身体に纏わりつき、瞬く間にシャツが汗でビッショリと濡れた。
『外気温が36度越えだとさ。体温と一緒だぞ。死ぬよな』
同じ36度でも気温と水温では体感する不快感の違いが出る。
気温36度は暑過ぎると感じ、水温36度は風呂にするには温過ぎる。
だが、体液だけは別だ。
胎児は体温と同じ36度から37度台の羊水の中でぬくぬくと育つ。
鏡に映った顔は青ざめていた。
なぜ俺が川田に抱かれて来たのか、今なら分かる。
川田がいなかったら、俺はとっくに気が狂っていたか、死んでいたに違いない。
俺にはどうしても川田が必要だったのだ。
無意識のうちに女のように抱かれて縛り付けてやろうとしたのだ。
与えることで、川田を得ようとした。そうとしか思えない。
その結果が、これか。ざまあない。
胎内に抱え込んだ川田は毒を撒き散らし、俺を苦しめ続けるだろう。
そうだ。川田の子供を宿しているのではない。
俺は川田を宿しているのだ。
相容れない生き方に拒絶反応を示しながら、諦めることも断ち切ることもできずに、
身体の奥深くに川田を内包し、離すまい、縛りつけようと足掻く俺に、川田は
毒を吹きかけ、解放を要求しているのではないか。
自己と非自己の確執。
吐き気の正体はツワリだ。
「ハルっ! どうしたっ、大丈夫かっ」
便所に駆け込んで来た川田が、鏡の中の俺を見た。
汗に濡れた髪を額に張り付かせた川田と俺が鏡の中に映っている。
「……なんでもない。ただのツワリだ」
「そっか、良かっ……ねぇよ! ツワリのわけがねぇだろが!」
「いや、ツワリだ。間違いない。何故なら……」
鏡の中の川田が困惑しているらしいのが愉快だった。
「何故なら、昨夜からの吐き気が止まらないうえに、酸味の強い物を身体が
欲してならないからだ。身に覚えだったらあるぞ」
「身に覚えって……父親は誰なんだ……とでも言うと思ってんのか! ぶん殴るぞ!
アレじゃないのか、トロとかボケとか言うウィルスが流行っただろう」
「トロでもなければボケでもない。ノロだ」
「そう、それだっ。ノロウィルス!」
ノロ? トロやボケやノロがどうしたと言うのだ。
鏡の中で怒鳴っているのは一体誰なのだろう。
川田は俺の腹の中にいるはずだ。
「おまえは誰だ?」
「ハ、ハル?」
「何故、おまえがそこにいるんだ。おまえの居場所はここじゃないのか」
俺は振り返って川田の手を取ると、自分の腹部に押し当てた。
「ここで毒を振りまいて俺を殺すのだろう?」
川田の目が大きく見開かれる。
一体何をそんなに驚いているのだろう。
不思議に思い、首を傾げた俺は、何かを尋ねるかのように瞬かれた瞳に混乱と
恐怖が交互に現れるのを見て、自分が口にした言葉の意味を反芻し、そこで
ようやく正気に戻った。
「すまない。冗談が過ぎたようだ」
川田の顔をまともに見ることができない。
棒立ちになった川田の脇をすり抜けようとした時、思いもよらず笑みが漏れた。
気が狂ったと思われたかもしれない。いや、とうの昔に狂っているのか。
縋りついて行くなと言うには、俺のプライドは高すぎた。
狂った俺に愛想を尽かして行くのなら、その方がまだマシかもしれない。
いずれ間違いなく行ってしまうのならば、早い方が良いだろう。
ジクジクと時を待つよりも、今すぐ壊してしまえ。
俺の中に残る狂気が、そう告げていた。
続く
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