甘い秋の味覚

秋の味覚と言ったらなんだろう。
一番に思い浮かぶのはサンマだろうか。
脂ののった太ったサンマを想像しただけで、大根を買いに走り出したくなる。
マツタケなんて高級品は、庶民には無関係の秋の味覚だ。
梨や柿、ぶどうと言った果物がお手ごろ味覚か。
先日は梨を二箱頂いた。
早速一つ二つと剥いてみて、最近の梨はこんなに甘いのかと驚いた。
梨特有のショリショリとした食感が少なく、果肉に透明感があり、水気がたっぷりとして、舌触りはしっとり。
とろりとした甘さは、まるで西洋梨のようだ。
これは早く食べねば傷んでしまうと思ったが、とても二箱も食べきれない。
慌てて友人達におすそ分けしたが、子どもの頃にショリショリした食感の梨を食べなれている世代は、しっとりとろりな梨に戸惑うようだ。
「溶けかけた梨」と称した友人がいたので、「発酵してた？」と冗談半分に尋ねてみたら、躊躇いがちに肯定する返事が返ってきたので笑ってしまった。
本当に「腐りかけ？」と思われかねないほどの柔らかさなのだから仕方がない。
梨に限らず、最近の果物は甘い。
リンゴもぶどうも柿もミカンも甘い。ハズレがほとんどないような気がする。
グレープフルーツなどは、砂糖を掛けねば食べられないほど酸っぱかった覚えがあるのに、いつの間にあんなに甘くなったのだろう。
「バナナは腐りかけが甘い」などと言っていたのはいつの時代だったか。
早く食べなきゃと、せっせと梨を剥きながら、なぜだか子どもの頃に食べた、舌の上にツブツブが残るショリショリの梨が無性に食べたくなった。

昨日は一日ポコポコと寝て過ごしてしまいました。
朝晩涼しくなって、少し体調も戻ってきた感じ。
ようやく今週は、まったりと家にこもって原稿を書けそうです。